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免震構造とは

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地震大国である日本では、阪神・淡路大震災や東日本大震災など数多くの地震による被害を経験してきました。
昭和56年に改正された新耐震基準では震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことを基準としており、大きく分けて「耐震」「制震」「免震」の3つの建築構造で設計されています。ここでは、それぞれの構造について揺れ方の違いを紹介します。

■耐震構造:建物の強さで揺れに耐える構造。

一般的なマンションやホテルはこの構造を採用しているケースが多い。
①太く頑丈な柱・梁で建物自体が地震に耐えうる強度で造られているもの。
②上層階になるほど大きく揺れ、地面の揺れの2~3倍で揺れる。
③大地震では建物が損傷する可能性が高い。

■制震構造:建物の振動を吸収し揺れを抑える構造。

①建物に加わるエネルギーを吸収するダンパーを設置する構造。
②耐震構造と比べると、上の階に行くほど揺れが抑えられる。
③風の揺れに強く制震部材が地震エネルギーを吸収する為地震による被害を抑えることができる。

■免震構造:建物を浮かすことで、振動を受け流し揺れを抑える構造。

①建物と地盤の間に免震層を設け、地震自体を建物に伝わりにくくする構造。
②地震の揺れを実際の1/3から1/5にまで軽減することができる。
③室内の家具などの転倒、損害を抑え、建物自体の損傷もより軽減される。

免震構造と耐震構造の揺れ方の違い

免震構造は建物と地盤の間に免震装置を介することで、地震の揺れが建物へ直に伝わりにくくなり、他の構造に比べ地震による揺れがもっとも小さくなります。一方、建物の強さで揺れに耐える耐震構造では基礎部分を支点に振動する為、上階になるにつれて揺れ幅が大きくなります。

耐震等級について

耐震等級は地震に対する建物の強度を等級1から等級3の3段階で評価しり指標で、2000年に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に沿って定められています。

免震構造の種類と必要装置

免震構造には大きく分けて「基礎免震」と「中間層免震」に分けられており当社で実績のある免震装置の一部をご紹介します。

<基礎免震>
基礎下部に新たな構造床を設け、建物との間に免震装置を設置し、免震層とする構造。
建物全体を免震化することができる。
建物外周部には数十cm程度、変形してもぶつからないようにスペース(クリアランス)を設ける必要がある。

<中間層免震>
免震層を1階より上に設ける構造のこと。
上下階で建物の用途が異なる場合にその境界部分に免震層を設けることで、上階をRC造、下階をS造にする等個々の用途に対応させることが可能になる。
免震層を設置するための地下ピットや、揺れしろを考慮したスペースが不要。

■免震装置:免震装置はアイソレーター(支承)とダンパーから構成されます。

■免震設備:地盤と建物の間に地震時に非常に大きな変位が生じるため、変位吸収を行う設備が必要になります。

免震構造のメリット・デメリット

■メリット

・建物内部のダメージや建物の倒壊を防ぐのに有効→大地震後も大きな補修が不要
・建物内部揺れが軽減されるので、落下物などの二次災害の防止に繋がる
・耐震性を確保するための太い梁や柱を設ける必要がないので、室内の梁や柱が少なくなり設計の自由度が大きくなる
・柱が小さくなる分、建設コストが削減できる
・地震保険料の割引、フラット35Sの金利優遇が受けられる

柱の大きさが半分ほどになりコスト削減

■デメリット

・免震装置が必要となることから、建築費が高くなりやすい。
・免震装置の定期的なメンテンスが必要になり、維持管理費がかかる(5年、10年、以降10年毎)
・建物が台風などの強風を受けると地盤から切り離された建物が揺れてしまうので、他の構造と比べて風による揺れが強くなってしまうことがある。

免震という「付加価値」

次いつ来るか分からない大地震から私たち自身の命と資産を守れる免震建物。弊社では建設コストを可能な限り抑え、付加価値をつけるコンサルティングを行っております。
RC造14階建てビジネスホテルにおいて免震構造を採用し、初期費用を耐震構造と比較して抑えることができました。
免震構造は、安全性、事業継続性の高さやサスティナブルな構造で、他の建物と差別化を図り確かな付加価値を生み出すことが出来ます。弊社では、利用者の安全・安心に繋がり、未来に繋がる建物をオーナー様の希望に沿う形でご提案したいと考えております。

■免震構造実績

アーバンホテル南草津
スーパーホテルPremiere仙台国分町